育毛剤と発毛剤の違いはなに?効果や副作用の違いを解説
「髪にハリやコシがなくなってきた……」「髪が生えてこなくなった……」など、髪の毛や抜け毛に関する悩みってありますよね。
このような場合、育毛剤と発毛剤のどちらを使うべきなのでしょうか。
実は、育毛剤と発毛剤はそれぞれ目的も役割も異なります。
ですが、育毛剤と発毛剤の違いをしっかりと理解している人はとても少ないのです。
この記事では、育毛剤と発毛剤の違いをさまざまな観点から紹介します。
また、どちらを選べばよいのかについても解説していきます。
育毛剤と発毛剤って何が違うの?
育毛剤と発毛剤には、さまざまな違いがあります。
実は、育毛剤と発毛剤の違いを理解できている人は、使用している人たちの中でも10%程度と言われてて、正しく理解せずに使用してしまっている人が多いようです。
ここでは、いろいろな観点から育毛剤と発毛剤の違いを紹介していきます。
育毛剤と発毛剤は目的や役割が違う!
育毛剤と発毛剤はよく混同されてしまい違いが曖昧になりがちですが、それぞれに異なる目的や役割があります。
- 育毛剤:今から生える髪の毛を抜けにくい状態に育てたり、今生えている髪の毛を維持したりする
- 発毛剤:髪の毛が生えていない部位に発毛を促し毛量を増やすとともに今生えている毛を強くする
育毛剤は、将来の薄毛や抜け毛を予防する目的と役割があり、髪の毛の健康を維持していくために使うものです。
そのため、現状薄毛が進行していない人におすすめなのが育毛剤です。
すでに髪の毛が生えてこなくなってしまった部位に使用しても育てる毛がないため効果は見込めず、おすすめできません。
発毛剤は、いま生えていない髪の毛を生やし毛量を増やす目的と役割があります。
AGA(壮年性脱毛症または男性型脱毛症)によって起こる薄毛や抜け毛を治療・改善するために使われるものです。
そのため、すでに髪の毛が生えてこない部分があり、新たに髪の毛を生やしたい人は発毛剤がおすすめです。
育毛剤と発毛剤は法律上でも明確に分かれています
育毛剤と発毛剤は薬機法(旧薬事法)でも、分類が分けられています。
育毛剤は、悩みの予防や現状の維持に使われる「医薬部外品」、発毛剤は疾患や症状を治療・改善する「医薬品」、としてそれぞれ厚生労働大臣に認定されています。
このように、育毛剤と発毛剤には、役割や目的に関して明確な違いがあるのです。
育毛剤と発毛剤は効果も違う!
育毛剤と発毛剤は、役割や目的が違いますので当然効果にも違いがあります。
育毛剤と発毛剤では、それぞれ配合されている成分が異なるため得られる効果も全く異なるのです。
成分 | センブリエキス・グリチルリチン酸・ジフェンヒドラミンHC |
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育毛剤は医薬部外品であり、上記の成分により頭皮環境を整え、薄毛の原因を取り除きこれまで以上の抜け毛を防ぐ効果が期待できます。
頭皮の炎症を抑えることなど頭皮環境を整える効果から、頭皮トラブルの予防にも使用されるため、薄毛や抜け毛にお悩みの人だけでなく、頭皮環境を整える目的など、比較的幅広い人におすすめです。
成分 | ミノキシジル・フィナステリド・キャピキシル |
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一方で発毛剤は医薬品であり、上記の成分により血行を促進させ栄養を細胞に行き渡らせることで、発毛を促進する効果が期待できます。
発毛剤にはミノキシジルという発毛成分が配合されており、ミノキシジルが毛包という器官を活性化させ、新しい髪の毛の発生を促進したり、既にある髪の毛の成長を促進したりする作用があります。
すでに生えている髪の毛を成長させるだけではなく、生えてこない部分に新しく髪の毛を生やし、さらに髪の毛を育てて定着させるのが発毛剤の効果です。
ミノキシジルは、日本で唯一「髪の毛を生やす成分」の外用薬として厚生労働省に認可されています。
第一類医薬品で市販されている発毛剤は1%~5%のミノキシジルが配合されていますが、1%よりも5%のほうが効果が高いという臨床試験結果が出ています。
このように、育毛剤は「今ある髪の毛を育てて、抜け毛を予防する」、発毛剤は「生えてこない髪の毛を生やし、成長させる」という効果があり、全く異なる効果になります。
そのため、髪の毛が生えてこない部分に育毛剤を使用しても効果は見込めませんので、育毛剤と発毛剤の効果の違いはしっかりと理解しておきましょう。
育毛剤と発毛剤は副作用も違う!
育毛剤と発毛剤は、配合されている成分が異なるため予想される副作用も異なります。
また、育毛剤は医薬部外品のため副作用は起きにくく、発毛剤は医薬品のため副作用が起きやすいという特徴もあります。
具体的には、育毛剤と発毛剤で共通して下記のような頭皮トラブルといった副作用が考えられます。
育毛剤と発毛剤どちらにも共通する副作用
頭皮のかゆみ、かぶれ、赤み、発疹、フケなどの頭皮トラブル
一方で、発毛剤にはミノキシジルが配合されているため、育毛剤では起きない副作用が起こることがあります。
ミノキシジルはもともと高血圧を治療する「血圧降下剤」として開発されているため下記のような副作用のリスクがあります。
発毛剤だけの副作用
頭痛、めまい、立ちくらみ、動悸・息切れ、むくみ、多毛症、肝機能障害など
発毛剤を使う人で低血圧の人や、高血圧で降圧剤を服用中の人、心臓に障害のある人は使用前に必ず医師へ相談してください。
このように、育毛剤と発毛剤では配合されている成分が異なるため、予想される副作用も全く異なります。
育毛剤と発毛剤はそれぞれどんな人におすすめ?
育毛剤と発毛剤は、役割や目的が違うかつ効果も異なるため、毛髪状況によって使い分けることが大切です。
理解せずに使用してしまうと思っていたように効果を感じられなかったり、思わぬ副作用に悩まされたりしますので注意しましょう。
育毛剤は、抜け毛を予防し今ある髪の毛を育てる効果が期待できます。
そのため、下記のような人には育毛剤がおすすめです。
育毛剤がおすすめな人
- まだ髪の毛はあるけど薄くなってきた人
- シャンプーやブラッシングでの抜け毛が増えてきた人
- 生活が不規則で髪の毛に栄養が足りない人
- ドラッグストアや通販で購入したい人
- 副作用が起きにくい製品が良い人
現状、髪の毛がある状態であり、ボリュームダウンやハリ・コシの低下が気になっている人もしくは抜け毛が増えてきた気がする人は、医薬部外品である育毛剤を選ぶのがおすすめです。
髪の毛に必要な栄養を配合した製品も多いため、生活の中で必要な栄養がなかなか摂れないという人にもおすすめです。
また、副作用も起こりにくいため、薄毛が気になり始めたら気軽に使えることもポイントです。
発毛剤は、新たな髪の毛を生やすという発毛効果が期待できます。
そのため、下記のような人には発毛剤がおすすめです。
発毛剤がおすすめな人
- 薄毛が進行してすでに生えてこない部位がある人
- 育毛剤では効果がなかった人
すでに髪の毛が生えてこなくなってしまい頭皮が目立っている人や、抜け毛が多くなってきた人には医薬品である発毛剤が最適です。
また、育毛剤に発毛効果はないため、今まで育毛剤を使って効果を実感できなかった人は発毛剤を使ってみる価値はあるでしょう。
しかし、副作用が起こりやすく身体に負担もかかってしまうことがあるため、使用時には注意が必要です。
育毛剤と発毛剤の使用には注意が必要?気になる疑問を解決します
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育毛剤と発毛剤は併用して使用してもいいの?
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育毛剤と発毛剤の併用はしてはいけません。併用してはいけない理由は主に2つあります。
1つ目は、成分の吸収を妨げてしまう可能性があるためです。
育毛剤や発毛剤は併用せずとも単体で効果を出せるように、成分や濃度が調整されています。
育毛剤と発毛剤を併用して使用してしまうと、バランスが崩れて互いに効果を発揮できなくなってしまい、成分の吸収を妨げてしまいます。2つ目は、副作用のリスクです。
本来混ざり合わない育毛剤と発毛剤の成分が、併用することにより頭皮で混ざり合い予想しない副作用が起こることも考えられます。
また、たとえ育毛剤と発毛剤に同じ成分が含まれていたとして、同じ成分を過剰摂取してしまい頭皮に悪影響が及び可能性もあります。これらのことから、育毛剤と発毛剤の併用はしないように注意してください。
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育毛剤や発毛剤は何歳でも使える?
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育毛剤に年齢制限はないため、10代でも使用できます。
抜け毛や薄毛が気になり始めたらすぐに使い始めるとよいでしょう。しかし、発毛剤の使用は未成年は禁止されています。
成人に対しては、臨床試験の結果安全性が認められていますが、未成年に対しては発毛剤がどのように影響するのかが検証されていないため使用が禁止されています。
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育毛剤や発毛剤を使ったけど効果がなかったときは?
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育毛剤を使って見たけど効果がなかった人は、どれくらい使用したかチェックしてみてください。 育毛剤は短期的に効果が出るものではなく、長期的に継続して初めて効果が表れます。
そのため、まだ1ヶ月しか使っていない場合などは、半年くらいを目安に使用してみてください。 また、併せて育毛剤の目的と役割に沿った使い方をしているかも大切です。すでに髪の毛が生えなくなった部分に育毛剤を塗布しても効果はありませんので、発毛剤を使用するようにしてください。発毛剤を使用しても効果を感じなかった人も、長期的な使用をしているかチェックしてください。育毛剤と同様に長期的に使用して初めて効果が表れます。
また、それでも効果がない場合は、AGA治療を専門としているクリニックで治療をすることをおすすめします。
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育毛剤や発毛剤を使って抜け毛が増えることってある?
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育毛剤や発毛剤を使用すると、ヘアサイクルの関係上一時的に抜け毛が増えることがあり、初期脱毛と言われるものです。
これは、育毛剤や発毛剤が効き始めている証拠でもあり、異常ではないため気にしなくても問題ありません。
育毛剤と発毛剤は全くの別物
違いを理解して正しく使用しましょう
育毛剤と発毛剤はよく混同されがちですが、明確な違いがあります。
育毛剤と発毛剤では、それぞれ異なった目的と役割があるため、自身の悩みに適したものを使用しないといけません。
異なる目的と役割があることから、構成される成分も違いますし、得られる効果や副作用の内容まで違ってきます。
現状、髪の毛があり抜け毛が気になってきた方は育毛剤を使用し、すでに髪の毛が生えなくなっていて新たに髪の毛を生やしたい人には発毛剤を使用してください。
育毛剤と発毛剤の違いをしっかりと理解し、自分に最適な方をチョイスするようにしましょう。